コラム

労働審判について

不当に解雇された、残業代を払ってもらっていないなど、会社との紛争を解決する手段として、労働審判という手続きがあります。
労働審判は個別労働関係民事紛争で使える手続きで、労働組合と会社との紛争などには使えません。
労働者の側から会社に対して不当解雇などを理由に何らかの請求をする場合、いきなり訴訟提起をすることもできますし、まずは労働審判を申立てることもできます。
労働審判は会社側の当事者の方と同じ部屋でテーブルを囲むことになりますから、どうしても顔を合わせることになります。
もっとも、ラウンドテーブルは広いですし、すぐ隣に会社の人が座って圧迫されるなどということはありません。
個人的には、労働審判が利用できる類型の事件であれば、まずは労働審判を申立て、そこで解決を試みるべきだと考えています。
労働審判の内容が不服であれば、後述の通り異議申立てをすることで訴訟に移行できます。
最大のメリットは、労働審判は解決までの時間が短いです。
早期解決というのは想像以上に重要なメリットです。

労働審判は、原則として申立てをした日から40日以内に第一回期日が指定されます。
申立てを受けた相手方は、第1回期日の1週間程度前までに答弁書と証拠を提出することになります。
第一回期日で争点と証拠の整理を行い、審判官と審判員が心証の形成をします。
ほとんどのケースでは、第一回期日でどのような調停を試みるか、つまり、労働者に有利か会社側に有利かがわかります。
期日には当事者も出席しますから、当事者の審尋も実施します。
第二回期日以降も主張や証拠の提出はできますが、やむを得ない事由がある場合を除き、第二回期日が終わるまでに全てを出し尽くすことになります。
ほとんどのケースは第二回までに調停案が示されて、調停が成立します。
調停は裁判上の和解と同一の効力がありますから、強制執行も可能です。
労働審判の送達又は告知を受けた日から2週間以内に異議申立てをすれば労働審判は効力を失います。
この場合、労働審判申立ての時に訴えの提起があったものとみなされて、訴訟に移行します。

労働審判の概要は以上のとおりです。
絶対に和解で終わらせたくないという意向がある場合などは労働審判には向かないですが、あらゆる事情を考慮したとき、労働審判をまず申立てた方がいいです。
いきなり訴訟に移行するよりも、解決することのできる機会が増えます。
労働審判で調停が成立して解決を見るケースが大半です。